不漁ジャム

しじみの香りの入浴剤が砂の中に埋もれている。

キミのおてんき

夢を見ていました。

酷くうすっぺらい色の空は

いつも通りそこにいて。

わんわん響く虫けら達の鳴き声も

今日ばっかりはまるでみずみたい。


キミは立っていました。

いつも通りどうしようもないほどの

屈託のない笑顔で。


キミは絶っていました。

大きな世界の、小さな存在を。


キミは裁っていました。

大きな鋏は存在を否定して

まるで布切れのように。


君は

キミは

きみは?

本当に存在しているのかな

もう、気がついているんでしょう

これは夢なんかじゃあない。




うそつきは
 誰でしょうか。


               砂